為替相場と株価の関係
為替相場とは、日本の通貨の円と外国の通貨の交換比率(レート)のことです。日本の株式市場や私たちの生活に大きく影響しているのは円とアメリカドルのレートです。
例えば、1ドル=110円のとき、1万円で買えるのは約91ドル分ですが、1ドル=100円のときは1万円で100ドル分の買物ができます。1ドルに対する円の数値が小さくなるほど円高=ドル安になり、円の価値が高まります。1ドルに対する円の数値が高くなるほど円安=ドル高になります。
円高は、海外からの輸入品が安く買えるようになるので、物価が下がって個人や企業は資金に余裕ができるので、資金が株式市場になだれ込むことで株価が上昇します。また、外国人投資家は円高の為替差益を狙って日本の株を買おうとするので、株価の上昇の要因になります。
しかし、自動車、電気製品、精密機械などの産業は、輸出の比率が高いので円高は不利になります。例えば、自動車をアメリカへ1台1万ドルで輸出していた場合、1ドル=110円のときは110万円の代金になりますが、1ドル=100円のときは100万円しか受け取れません。よって、輸出企業の業績は悪化し、株価は下落します。
企業は為替の変動を見込んで予算を組んだり、為替の変動の影響を受けにくい対策を講じているので、円高で輸出産業が大打撃を受けるという単純な構図にはなっていません。